渡邉彩香の“L型定規”ドリルが面白い
「左から10センチで、ツマ先から21センチ」


<ダイキンオーキッドレディス>
◇2日目
◇3日
◇琉球GC(沖縄県)
◇6560ヤード・パー72
2位に3打差をつけ首位でスタートした渡邉彩香は、ボギーフリーの3バーディで「69」をマークし、トータル9アンダーとして後続との差を保って予選ラウンドを終えた。
4日間大会で2日目にトップに立つのは初めてのことだ。

会見場の席に座ると、「きょうもきのうと変わらないので、話すことがないんですけど」と笑う。
最終ホールまでピンチらしいピンチはなかったが、最終9番ホールでは段を上って下る難しいファーストパットを2.5メートルショート。この日最大のピンチを迎えた。
「最後は一番入れたいパターが入って良かった」とこれをねじ込み、ガッツポーズが飛び出した。

そんな渡邉彩香が昨年の後半から取り入れているのが、L型万能定規を使ったパッティング練習。
直角に折れた定規の短い方を自分に、長い方を目標に向けて、ボールを角に置いて打つ。
定規の先、ボールから80センチくらいのところにあるペットボトルに当てていく。

この練習の目的は?「1つはレールの練習と同じようにあの上を通すこと」。
ゴルフ用の練習器具に比べると幅が狭いため、出球が少しでもズレるとボールは定規から落っこちてしまう。そして、「自分のボール位置を修正したので、ボールの位置とかボールとの距離を一定に保てるように使っています」という。
昨年までは短いパターを短く握って、左足よりにボールを置いていたが、いまはパターを1インチ長くして、普通に握り、ボール位置を少し真ん中よりに修正している。
そのボール位置は「定規で測って左足から10センチ」、ボールとの距離は「ツマ先から21、22センチくらい」と決まっている。
その地道な練習の積み重ねが、最後のパーセーブにつながった。
「開幕で2日間、いいプレーができたことはうれしいし、自分の自信にしたいなと思っています」。
決勝ラウンドでも、さらに自信を深めていきたいところだ。
(文・下村耕平)
誰でも簡単にできるドリルの全容【写真】
(出典 @ALBA_golfnews)

プロフィール

ジュニア時代から飛ばし屋として名を馳せた渡邉が開花したのは14年の『アクサレディス』。1打差を追う最終18番(パー5)でチップインイーグルを奪い大逆転で初優勝を手にした。その後も地元静岡で行われた『ヤマハレディース』を制するなど順調に成績を残してきた。また、15年の『NEC軽井沢72ゴルフ』2日目にはツアー史上12個目となるアルバトロスを達成するなど、劇的なショットをたびたび披露。2018年には一度賞金シードを手放すが、2020年の『アース・モンダミンカップ』で5年ぶりの復活優勝を果たし、見事に返り咲いた。

172cmの長身から繰り出されるドライバーショットは非常に強力で、セカンド地点で1人だけショートアイアンということもしばしば。趣味は静岡県出身らしくサッカー観戦で、本田圭佑を敬愛している。
ツアー通算5勝
身長172cm
体重65kg
血液型A型
生年月日1993年9月19日(30歳)
国籍日本
出身地静岡県熱海市
出身校埼玉栄高等学校
ゴルフ歴10歳〜
プロ転向2012年7月27日(84期生)
得意クラブドライバー
趣味スポーツ観戦