初めてボールを打つ「超ビギナー」は7番アイアンが好都合
ゴルフを始めると「とりあえず7番アイアン」で始め、そのまま同じアイアンを中心に練習しているビギナーが多いそうです。
また体験レッスン時などには、7番アイアンでショットしてもらいスイングチェックをする場合も多くみられます。
「7番アイアン」といっても、昔と違ってロフトや長さ、装着シャフトなどモデルによってスペックが大きく異なる
しかし、現代クラブの中で「7番アイアン」ほどロフトや長さ、装着されているシャフトが多様な番手もありません。
昔は37度前後だった7番アイアンのロフトは、現在アマチュアの
「フツー」で30度前後、プロ上級者の「普通」で33度前後になっています。
ただ、昔も今も共通している点は、クラブセッティングの中では「短い」部類であること。つまり番号どおり「ショートアイアン」でもあるのです。
これから初めてボールを打つ「超ビギナー」にとっては、そこそこの当たりができればボールは少し上がり右に行くミスも出づらい「優しい番手」である7番アイアン。
現代の最新クラブでは、多くのゴルファーが5番(または6番)アイアンからセッティングしているため、「とりあえず7番アイアン」の弾道の内容や振り方を見れば全体の傾向が想像できる番手でもあるのです。
しかし、7番アイアンが打てれば「ドライバーもうまく打てる」ワケでも「100を切れる」ワケでもないので注意してください。
ドライバー(46インチ)とSW(36インチ)の真ん中は「41インチ」?
現代クラブはドライバーで46インチ以内、サンドウェッジ(SW)で36インチ以内に収まっているモデルがほとんどです。一方7番アイアンは36.5~38.5インチが多いようです。
クラブセットの「真ん中」は? というと、40~41インチ以内になり番手でいうとユーティリティーになります。クラブの長さとヘッド構造の両面で、ユーティリティーなら7番アイアンよりドライバーやウェッジに対してイメージが繋がるのではないでしょうか。
ドライバーのクラブ長さは46インチ以内、SWは36インチ以内。セットの「真ん中」は41インチ以内のクラブ長さだとすると、ユーティリティーがそれに該当する
ビギナーにとってユーティリティーは、難しいドライバーの代わりやセカンドショット以降で飛距離を稼ぐ武器になります。
100切りゴルファーにとっても、スコアを崩しやすいパー7のセカンドショットなどでフェアウェイウッドよりも安全にショットしやすくなります。
これまでいわれていた「とりあえず7番アイアン」よりも、
「とりあえずユーティリティー」の方がショットを成功させるための練習クラブになるはずです。
セッティングに「中空構造」番手が多いほどウッド類が得意になる
ドライバーを含めた「ウッド類」が得意なゴルファーといえば、まず頭に浮かぶのは女子プロです。
スイングや技術はもちろんですが、クラブセッティングという面でも「中空構造」の番手をコースで使い慣れていることも見逃せません。
ドライバーの苦手克服には、中空構造である「ウッド類」の本数がセットの中に多く占めるほどよい
最近はアイアンも「中空構造」のモデルが人気ですが、クラブセッティングの中に占める本数が多いほどウッド類、つまりドライバーに対する苦手意識は少なくなる傾向があります。
苦手だから「ドライバーを特訓」するよりも、ウッド類を使う頻度を増やすセッティングにした方が慣れやすくなり、ドライバーの苦手意識を克服しやすくなります。
板状のアイアンに比べ、「中空構造」のクラブは深い位置に重心があるモデルが多く、インパクトの入射角が緩やかになりやすいのが特徴。アッパーブローでインパクトするドライバーに近いイメージで振ることができるはずです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール
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