「朝から変な夢を見て気分が悪かった」
<国内女子ゴルフ<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 9月22~24日>
◆利府ゴルフ倶楽部(宮城県)
◆ 6569ヤード・パー72
初日から4バーディー1ボギーの「69」、3アンダーフィニッシュで好位置につけた原英莉花。スイングを見る限りではヘルニアの手術の影響も見られず、かなり好調のようにも見えた。
しかし、全体的なゴルフの内容を聞くと、開口一番、「朝からすごく変な夢を見て気分が悪かったんです」と笑う。
「夢の内容は起きた瞬間には覚えていたけれど、なんだったかは思い出せない」という。そんな悪い気分を吹き飛ばしたのが、3番パー4で6メートルのバーディーパットを沈めたあとだった。
初日を3アンダー13位タイという好位置で終えた原英莉花 写真:Getty Images
「奥のカラーからすごく強めのパターが入ったのですが、ピンに当たって入ってくれた。そこから少しずつ気持ちよくプレーにのめり込めた感じはありました」
4番パー3で1.5メートルを沈めて連続バーディー。8番パー5もきっちりとバーディーを奪取。9番でボギーをたたくも、12番パー4ではピンまで140ヤードを7番アイアンできっちり寄せてOKバーディー。
スコアはまとまりつつも、まだ自分的にはしっくりこない感じがあるようだ。今季も試合数が残り少なくなってきたが、原には今後目指す目標が明確にある。
一つはすでに報じられているように、エントリーを済ませた米女子ツアーのQスクール2次予選(10月17~20日)と最終予選も突破して、米ツアー出場権を得ること。もう一つは「TOTOジャパンクラシックに出ること」だ。
「そのためには残り3試合で優勝しないといけないと思うので、それくらいの争いはしたいと思っています」
日本選手には「富士通レディース終了時点」のメルセデス・ランキングの上位35名までの選手に出場資格が与えられるが、原の同ランキングが49位のため、優勝が必要となってくるというわけだ。
専属キャディーの塚本岳氏「コースの中だと見えないことも多い」
そのためにも“変化”が必要となってくるわけだが、よく見ると原の隣にいるキャディーが、いつもバッグを担いでいる“専属キャディー”ではなかった。その理由についても教えてくれた。
「ティーショットの不安がまだ大きいので、自信を持ってまだプレーできていない。これを取っ払って日本女子オープンに挑みたい。それで今週はエースキャディーに外から見てもらってるんです。近くにいすぎると一緒に戦っている感じになっちゃって、冷静なプレーがなかなか難しいと思ったんです。外から見てもらって、来週に備えたいなというのはあります。気分転換というところもあります」
原の専属キャディーは塚本岳氏だが、ロープ外から原のプレーを見ていた彼にも話を聞いてみた。
「一緒にコースの中にいると見えないことも多いんです。例えば、リズムや体のアドレスとかも近すぎると見えない部分があるのですが、遠くから見ることで、『こういうライのときは、アドレスがこうなりやすいんだな』とかが分かってきます」
「試合中は時間を使っても、ゆっくりは考えられないですし、瞬時の会話が多くなります。これからの試合である程度、今回のことが頭にあれば、もっと分かりやすく伝えられやすくなると思って、今週は外から見るようにしました」
肝心の原も「得意なコースの一つなので、ガンガン行きたい」と攻めの姿勢を貫く。原もキャディーも優勝するための準備は整っている。
原 英莉花(はら・えりか)
1999年2月15日生まれ、神奈川県出身。
2018年プロテスト合格。
“黄金世代”の一人として18年から早くもシード獲得し、翌19年には初優勝。
20年には日本女子オープン、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと公式戦2冠を達成した。NIPPON EXPRESSホールディングス所属。
キム・ミョンウ
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