1月の開幕戦から8カ月が過ぎ、米国女子ツアーは続く
「ウォルマートNWアーカンソー選手権」
(9月29日~10月1日、アーカンソー州)から終盤戦に差し掛かる。この後も中国、韓国、マレーシア、日本を回るアジアシリーズや、ランキング上位者のみが出場できる最終戦など見ごたえ十分! そこでこのタイミングで今季、米国でプレーする日本選手の活躍をひも解き、今季の収穫、課題をあぶり出したい。
今季ここまで16試合に出場し、トップ10入りは3月の「LPGAドライブオン選手権」(アリゾナ州)7位のわずか1回。
予選落ちは4試合だけだが、そのうち6月の「KPMG全米女子プロ選手権」、7月の「全米女子オープン」、8月の「AIG女子オープン」(全英)とメジャー全5大会のうち3試合で決勝行きを逃す結果になった。「シェブロン選手権」4位、全英3位と、ここぞという時に優勝争いに絡んでいたルーキーイヤーの昨年に比べると、やはり苦しい印象を受ける。
CMEグローブ ポイントランキング80位以内の選手が手にするシード権も、昨年は2位になった4月の「ロッテ選手権」で早々に“当確ランプ”を灯したが、今季は現在ランキング71位でいまだ当落を争う位置にいる。昨季は最終的に36位でシード選手の仲間入りを果たし、さらにはランク60位までの選手だけが出場できるシーズン最終戦行きも決めた。しかし今年は4月ころから訴えていた左手故障の影響もあり、本調子でのプレーとはなかなかいかない。
スタッツを見ると、
昨季257.65ヤード(76位)だった平均飛距離が、
今年249.86ヤード(125位)までダウン。69.37%(71位)だった。
パーオン率は65.77%(92位)となり、77.26%(41位)だった。
フェアウェイキープ率も74.42%(46位)に落ちている。
やはりケガをした場所が場所なだけに、ショットへの影響が顕著だったことも伝わってくる。
その一方で、 40.00%(123位) から44.83%(69位)に上がったサンドセーブ率や、30.00回(77位)から29.38回(28位)に改善された1ラウンドごとの平均パットなど、ショートゲーム面で上がっている項目も目立つ。
直近の試合では「(ショットの時、先に)手が出てしまって、右にも左にも飛ぶ。非常に残念」と話していたが、体に不安を抱えながらここまで乗り切ったのは、そういった小技に救われた部分も大きい。いまだ試行錯誤は続くが、予選ラウンドの2日間を首位で終えた8月の「スコティッシュ女子オープン」など“らしい”場面も徐々に見かける機会が増えてきた。
勝利への期待は消えないが、まずはシーズンを終えた時にポイントランキング80位内にいることが最低限の仕事。最近は痛みを訴えることもなくなり、一時の大ピンチ状態からは脱したようにも思える。畑岡奈紗、古江彩佳ら他の米メンバーの多くはオープンウィークを利用し、日本ツアーの試合に出場もしたが、渋野は調整に時間を割いた。終盤戦の巻き返しへ―。多くのゴルフファンが待ちわびる元気な姿を届けたい。
【渋野日向子・昨季と今季の主なスタッツ比較】
項目 2022→2023
平均飛距離 257.65ヤード(76位)→249.86ヤード(125位)
フェアウェイキープ率 77.26%(41位)→74.42%(46位)
パーオン率 69.37%(71位)→65.77%(92位)
1Hの平均パット数 1.82(88位)→1.80(52位)
1Rの平均パット数 30.00(77位)→29.38(28位)
サンドセーブ 40.00%(123位) →44.83%(69位)
平均スコア 71.37(72位)→71.52(50位)
アンダーパーラウンド数 31(73位)→24(51位)
バーディ数 239(58位)→183(47位)
イーグル数 5(43位)→6(17位)
60台のラウンド 20(-)→14(-)
※2022年はシーズン終了時、今年は26日現在
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